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【記者コラム】犬伏湧也 打倒S班の1番手

 第38回全日本選抜競輪は古性優作の優勝で幕を閉じた。勝ち上がり段階では新鋭の自力選手が逃げ切りを連発。世代交代の予感は十分あった。しかし、終わってみればS班古性の連覇で順当。最大の関門だった準決勝で新鋭選手は持ち味を発揮することができずに大敗し、改めてS班選手の厚いカベを感じさせた。
 決勝進出ならずとも、最終日は次回ビッグレースでの活躍を占う意味で、新鋭選手のレース内容が注目された。中でも気を吐いたのが犬伏湧也(27・徳島=119期)だ。8RでS班の実力を持つ深谷知広を相手に先行で完封を決めた。
 「ホームからバックにかけて捲られないようにペースを上げました。準決勝で先行したことを生かすことができました」
 シリーズ3勝を挙げて新鋭選手の中で屈指のパワーを証明した。犬伏の武器はダッシュ力にあるが、カマシ先行では後ろが離れるケースがあり、トップクラスとの対戦では弱点になる。レースがなかった1月には「苦手なことを克服することに集中しました」。抑え先行でも押し切れるパワーと、最後まで踏み切る末脚を求めて強化に取り組んだ。
 「今回の走りでレベルアップしたことを感じています。今後はGⅠの準決勝でも先行してラインで決められるように精進します」
 3月にはGⅡウィナーズカップ(18~21日、別府)に出場する。早くもその舞台でS班選手を倒してファイナル進出なるか。自信をつけた犬伏の走りから目が離せない。

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